チェンジメーカーたる人物とは?誰でもなれるのか?【自分の能力が変わる(アレックス・ブダク)】

【自分の能力が変わる〜カリフォルニア大学バークレー校超人気の授業】の書籍レビューです。

なぜこの本を選んだのか?

現代社会の中でリーダーとして成功するためには実務的な能力を超えた何かが必要だという認識が漠然とありました。

私自身が直面している変化の激しさに対応するためのヒントを求めていました。

この本は、企業の一社員でもチェンジメーカーになるための資質について学ぶことができるのではないかと思いました。

この本を読んで学んだこと

チェンジメーカーはマーテックの法則と戦う

テクノロジーは指数関数的に進化するが、組織は対数的にゆっくりとしか変化しないというマーケティング用語である「マーテックの法則」である。

確かに未だかつてない規模でイノベーションが急速に進んでおり、それに対処すべき人間の能力とのギャップが広がってきている。

これは、現代のリーダーが直面する大きな課題であり、だからこそチェンジリーダーが求められている

変化に対する恐れではなくそれを利用してチャンスを見出すマインドセットが重要であり、私が参考になったところは以下である。

チェンジメーカーは逆を見る

現状の常識や慣習に対して疑問の目を向け、それが波乱をもたらすことになったとしてもポジティブな変化の機会を見つけて突き進んでいく。クエスチョンを子供の様に広げて大人の様に絞っていくのである。

メンバーを巻き込みながら行動を移す際に重要となってくるのが、リーダーシップ論で良く持ち出される話であるが、特異性を許容する信用の蓄積(イデオシンクラシークレジット)である。日々自分の優先順位が低いことなどで同意したりすることで信用が蓄積することで、自分が真にしたい変革に対して同意を得ることができるし、逆に変革をフォロワーに望まれる様になる。

チェンジメーカーは謙虚な自信家である

偉大なリーダーは自信と謙虚さを共存させている。

自信を伴った強い行動をとりながらも謙虚に仲間を信頼し協力を進めるリーダーシップを発揮する。

謙虚なリーダーは称賛は自分に向けられたものだとしても「窓の外」を見るようにチームと共有する、一方で非難は自分に向けられていないものだとしても「鏡」を見るごとく自分毎として受け止める。

リーダーが謙虚な企業はそうでない企業と比較して賃金格差が小さく、従業員がイノベーションを起こすための環境が整っている。結果として従業員の離職率も低く、収益面でのアウトプットもより高い。

”わたし”はどうあるべきか

  • 常に 必ず今よりもいい方法はあると考える。シンプルだけど非常に重要なマインドセットである。
  • 子供のような好奇心を持ち続け、 逆の視点で物事を捉える習慣を身につける。
  • 成功はぐちゃぐちゃな線を辿った先に待っていることを信じ、 軸はぶれずに方向転換する。
  • 自己のエゴではなく チームや組織の利益を最優先に考え(サーバントリーダーシップ)、 数十年単位で捉えた壮大だが具体的なビジョンを示し、 倫理的なリーダーシップを実践することを心がける。その際に 信頼のパワーを蓄積していくことをイメージし続ける。

これらはいわゆる優れたリーダー論でも語られている内容ですが、チェンジリーダーは誰にでもなれるという自信が湧いてくる本でした。